Standard

事業目的

FA等産業オートメーション分野における標準化活動を通じて、産業界の繁栄と活力の維持・向上を支援します。

産業オートメーション分野の標準化

産業オートメーションに係わる標準化対象の範囲は広いため、多くの組織・団体が標準化活動に関連しています。
近年では、Industry4.0やSmart Manufacturingに関する国際的な動きもあり、標準化は益々重要な活動となっています。

その中でも中心となる国際的標準化活動は、
・ISO(International Organization for Standardization)
・IEC(International Electrotechnical Commission)
で行われています。

ISOでは、オートメーション分野の標準化をTC184(TC:Technical Committee)が担当し、1983年の第1回TC184総会以来活動を続けています。
一方、IECではプログラマブルコントローラをはじめ、計測、制御、サーボ機器等、多くの分野でTCが設置され、それぞれの固有技術の標準化と共に関連する自動化技術の標準化を進めています。
ISO TC184の技術委員会が発行するオートメーション分野の規格は、産業製品の国際貿易を促進する動機になりうる反面、貿易上の障害にもなり得ます。このようなことからも規格作成のプロセスにおいて、わが国のリーダーシップの発揮と、そのための産業界からの規格作成への積極的な参画が必要です。
(一財)製造科学技術センター(MSTC)は、わが国におけるISO TC184(オートメーションシステム及びインテグレーション)、TC184/SC4(産業データ)およびTC184/SC5(アーキテクチャ、通信とフレームワーク)の国内審議団体として国際標準化活動に積極的に参画し、活動の動向を把握するとともに、わが国の意見を提言することにより、国際標準化の推進に寄与しています。
ISO TC184には、次のサブコミッティー(SC:Sub Committee)が設置されています。
・SC1: ネットワークを利用した製造システム用のデータモデル及びインターフェース
・SC4: 産業データ
・SC5: アーキテクチャ、通信とフレームワーク
※SC2(ロボットとロボティックデバイス)は、TC299(ロボティックス)として独立しました。

FA国際標準化に関するお問い合わせ・ご意見
std@mstc.or.jp

国際標準化推進事業

MSTCは、ISO TC184、及びSC4・SC5の国内審議団体として、産業オートメーション標準化推進委員会及び分野ごとの委員会を組織し、ISO TC184総会やISO TC184/SC4、ISO TC184/SC5総会・WG等の国際会議への参加や招致、日本提案による国際規格開発等の事業を実施しています。
以下は、規格開発している国際標準化プロジェクト(事業)です。

産業データ基盤 各種ITツールの活用を検証するデータ基盤に関する国際標準化

事業目的

ものづくり(生産過程)では、グループ企業内/企業間でのデジタルデータ利活用が活発に行われています。さらに今後は、ものづくりの下流領域を担う中小企業等へのデジタルデータの活用の拡がりが具体化すると予想されます。本事業では、下流領域で頻繁に利用されるVisualization System(Viewerとも言う)間のデータ交換や、あるデータが別のITツールに渡った後でも同一とみなせる精度を有しているかの検証(同一性検証)など幾つかの要素技術を国際標準として整備します。

概要

産業界“ものづくり”の課題

✓効率up
✓品質向上
✓コスト削減
✓時間短縮

情報のデジタル化

面図の3D-CAD化等、情報のデジタル化が進展
CADデータに部品情報等を登録し、部品設計・製造・保守の場面でCADデータを活用する動き

データ基盤の標準化

上流から下流まで、事業体間で“デジタルデータ(情報)”を流通/活用するための標準化が課題
ツール間でデータの同一性を検証するための規格を標準化

  • デジタルデータ(情報)の活用 デジタルデータ(情報)の活用
  • 産業データの同一性検証 産業データの同一性検証

生産ソフトウェア 生産ソフトウェアの相互運用のための機能記述の実用化に関する国際標準化

事業目的

日本のソフトウェア開発では、既存ソフトウェアを有効に改良・改善し、設備更新等にも素早く対応して生産技術向上を支えています。
本事業では、効率的なソフトウェア開発に不可欠な既存ソフトウェアを財産化し、有効利用する手法やソフトウェアへの要求記述などの具体策を規格化するISO 16300(製造アプリケーションソリューションのための機能ユニットの相互運用性)シリーズを開発します。

概要

生産ソフトウェアの再利用・相互運用性を確保するための国際標準規格を開発します。

ISO 16300シリーズの国際標準規格開発の実施
TC184/SC5/WG4にて規格化(国際コンビーナ:神奈川工科大学 松田名誉教授)

【関連ISO】
ISO 16100:製造用ソフトウェア相互運用のためのケィパビリティプロファイリング
MSUs(Manufacturing Software Unit)によるシステム開発概要

環境影響評価 生産システムの省エネルギー化評価手法及び適用ガイドに関する国際標準化

事業目的

製造工場内の生産システムに対する環境影響評価手法を検討し、その国際標準化を進めます。
工揚全体の環境会計、或いは設備機器単体の環境負荷低減の取組みは各業界で実施されています。しかし、この中問レベルに位置する生産システムの環境影響評価手法については評価が非常に複雑なため、検討が進んでいません。本事業では、当該手法を検討し、ISO化(ISO 20140)を推進します。

概要

Factory Manufacturing Line/Cellレベルでの
環境影響指標の仕様・収集方法の国際標準化

ISO 20140シリーズの国際標準規格を開発

【標準化時期】
  1. Part1(概要および一般原則):H25/5(完了)
  2. Part2(環境性能評価プロセス):H20/11 DIS2)
  3. Part3(環境性能評価データ積算プロセス):H21/5 DIS

TC184/SC5/WG10にて規格化[国際コンビーナ:東京大学 木村教授]

ISO 20140シリーズ構成図

用語:
1) Evaluating energy efficiency and other factors of manufacturing systems that influence the environment
2) Draft International Standard

動的装置モデル 動的製造装置モデルを利用した製造シナリオの生産性と環境影響のデジタル検証に関する国際標準化

事業目的

新国際標準ISO 16400「製造シナリオのデジタル検証のための動的製造装置モデルe-ライブラリサービス(仮題)」は、コンピュータ内に仮想製造ラインを構成し、様々な製造シナリオでの仮想生産を実行(シミュレーション)することで、生産性と環境負荷の両面から、製造シナリオの検証を行います。本事業では、製造ライン上の事前検討、計画実行などを支援する情報環境の構築に必要な国際標準を開発します。

概要

ISO 16400シリーズについて、提案国として日本が本国際標準の開発を主導し、さらに国内においては試験研究を実施し、本提案の実現性を確認するとともに、その普及活動について検討します。
  1. Part1:全体構成(フレームワーク)と方法論
  2. Part2:動的製造装置モデルとテンプレート
  3. Part3:動的製造装置モデルの使い方と提供サービス
ISO 16400シリーズ構成図